インタビュー
2023.03.23
リチャード・ローティの哲学の魅力を引き出したい
文学研究科 臨床人間学専攻 臨床社会学専修 博士前期課程 2年 藤橋 宙生さん
明治大学 政治経済学部 卒業
大学院に進学したきっかけや理由を教えてください。また、大学院進学にあたり、明治大学大学院を選んだ理由を教えてください。
大学院進学の理由は、リチャード・ローティの哲学の魅力を引き出したいと思ったからです。学部2年時からローティの著作を読み続けた結果、彼の哲学は評判が悪いことに気づきました。しかしローティの哲学は、「人間とは何か」「他者と共生するとはどういうことか」などについて、魅力的なアイデアを含んでいます。ですので、大学院に進学し、彼の哲学を研究しようと思いました。
明治大学大学院に進学した理由は、関根宏朗先生のご指導を仰ぎたかったからです。ぼくの研究テーマは、ローティの哲学とフロイト精神分析の理論的関係性について探求し、それを教育学に接続するというものです。指導教授の関根先生は、精神分析と教育学の関係について大きなご関心と深く広い教養をお持ちです。ですので、関根先生の研究室に入門しました。
平日の代表的な1日のスケジュールを教えてください。
10:00 | 起床 | |
---|---|---|
11:00 | 昼食等 | 西日暮里の「えどもんど」に週3で行きます。もはや実家です。激うまです。 |
12:00 | 登校/研究 | 論文執筆、論文読解、資料集めなど |
13:30 | 授業 | 修士論文の添削を行っていただくことが多いです。 |
15:30 | 研究 | 論文執筆、論文読解、資料集めなど |
20:00 | 夕食等 | 昼がヘビーなので軽く済ませます。 |
20:30 | 研究 | 論文執筆、資料集めなど |
23:30 | 帰宅 | 読書or動画視聴or筋トレ&ランニングor飲酒 |
03:00 | 就寝 |
大学院に進学してよかったこと、大学院に進学して身に付いた能力等について教えてください。
「有限化」する能力です。換言すれば、「努力」と「制約」のバランスを踏まえて「よし、これでいいか」と割り切る能力です。論文執筆に際しては、様々な迷い-あの資料は読むべきかetc.-がつきまといます。しかし、どんなに努力しても、それらを全て論文に反映することは難しいです。なぜなら、様々な制約-資料の有無、締め切り、心身の健康状態-があるからです。
これはもどかしくはありますが、しかしそのような制約があるからこそ、物事に区切りをつけることができるのだと、前向きにとらえることができると思います。ぼくは大学院での生活を通して、「努力」と「制約」のバランスを次第に飼いならせるようになりました。
以上のことを踏まえると、「有限化」する能力とは、自分の「有限性」を自覚しつつ、うまく努力していく能力と換言できるかもしれません。
大学院修了後の進路をどのように予定しているか教えてください。
民間企業でアプリケーション・エンジニアとして働く予定です。そして、入社して数年経ったら、博士課程に進学し、仕事と研究を両立する予定です。
大学院で培った「有限化」をする能力は、プロジェクト遂行において、様々な制約―自分とチームは今どのような状態にあるか、今回は顧客の何を聞き入れて何を聞き入れないかーを考慮したうえで、プロジェクトを決定・実行する際に有用であると思います。
趣味や自由な時間の過ごし方について教えてください。
「シラス」という動画サイトで教養番組を渉猟すること(超オススメです)、読書(漫画も含む)、友達と飲みに行く
進学を検討している方へのメッセージをお願いします。
明治大学大学院は、研究面での福利厚生が充実していると思います(ex.論文取り寄せがスムーズにできる、施設が綺麗で充実)。なので、研究環境としては理想的だと思います。そのような環境で“ガチ”で研究をする決意のある方は、ぜひ進学してください!
ただし、特に人文系の研究をしたい方は、今後のキャリアなどに関して、食い逸れることのないよう、なるべくリスクヘッジをしたうえで進学することをオススメします。
※掲載内容はインタビュー当時のものです。