インタビュー
2023.03.23
アカデミックの世界でも、実務の世界でも必要な力を身に着けることができる
経営学研究科 経営学専攻 博士後期課程 2020年度修了 豊崎 仁美さん
明治大学 経営学部 卒業
茨城大学人文社会科学部 講師
現在どのようなお仕事をされていますか?また、研究職を志したきっかけや理由を教えてください。
現在は、茨城大学人文社会科学部法律経済学科に所属しています。茨城大学では、管理会計論や原価計算論を主に教えながら、研究活動を行っています。先人が積み上げてきた知識のありがたさを日々感じるなかで、自分も少しでも知識の積み上げに貢献したいという想いで研究に向き合っています。
研究職を志したきっかけは、大学2年生のときに受講した「管理会計総論」で会計情報が従業員の心理や意思決定に影響を与えることを知り、それまで考えていた会計に対する認識が変わったことがきっかけです。そこから、主に従業員の心理や意思決定に会計情報がどのような影響を与えるかを深く知りたいと思い、研究職を志すようになりました。
現在の研究テーマや大学院で研究していたテーマについて教えてください。
大学院から現在に至るまで、非管理職である一般の従業員を戦略の実現に動機づける管理会計システムに着目して研究をしています。もともと管理会計システムは管理職のためのシステムと位置付けられていたこともあり、非管理職に与える影響についてはあまり研究の蓄積がなされていないという問題があるのですが、変化の激しい今の時代において、一般従業員の洞察力やアイディアなしに、企業が生き残るのは難しいと考えられます。そこで一般の従業員にも戦略を意識した行動をとってもらうには、どういった管理会計システムが有用なのか、どういった点に気を付けるべきなのか?などに着目して、研究しています。
大学院に進学したきっかけや理由を教えてください。また、大学院進学にあたり、明治大学大学院を選んだ理由を教えてください。
大学院に進学したきっかけは、もう少し深く管理会計について学んでみたいと思ったことと、データ解析スキルや英語力を伸ばしたいと思ったことがあります。データ解析については、データ解析ができると自分の仮説をデータでもって裏付けることができる点に魅力を感じ、またゼミの先輩方が高度な分析を行っているのをみて、自分もできるようになりたいと思いました。英語力については学部3年次に経営学部の交換留学制度を使ってフランスに留学していたのですが、そこで自分の英語力では全く使い物にならないことを感じ、英語力をつけて国際的に活躍できるようになりたいと思ったのがきっかけです。また留学をとおしてヨーロッパでは大学院に進学すること自体がそれほど珍しいことではないことを知ったことや院進学をしている先輩がいらっしゃったこともあり、大学院進学にあまり不安をいだくことなく決断することができたと思います。
大学院への進学にあたり明治大学を選んだ理由は、ゼミの先生が受入をしてくださる環境があったこと、内部進学の学内選考入試が利用できること、TA制度があり、経済的なサポートを受けながら学業に打ち込むことができると考えたこと、留学ができることなどがありました。
大学院に進学してよかったこと、大学院に進学して身に付いた能力等について教えてください。また、大学院に進学したことが、現在、どのように役立っているか教えてください。
大学院に進学してよかったことは、まさに研究活動をとおして、論理的に考える思考力、相手に伝わるような文章を書く力、データ解析力、英語力、コミュニケーション力など多くの力を身に着けられたことです。これは研究活動上必要なことでもあるのですが、それだけでなく教育や日常に起きる問題の解決など、どんなところでも必要とされ、役立つ力だと感じています。
進学を検討している方へのメッセージをお願いします。
大学院という場所は、もちろん自分の関心があることを深く追求することができる点に魅力があると思いますが、それだけでなく、さまざまな経験ができ、多様な力を身に着けることができるのが大学院という場所だと思います。アカデミックの世界でも、実務の世界でも必要な力を身に着けることができると思いますので、ぜひ挑戦してみることをおすすめいたします!
※掲載内容はインタビュー当時のものです。