人文科学・社会科学・自然科学の幅広い領域において、優れた教授陣による高度な教育・研究が行われています。
その教育・研究を通じ、本大学院は、本学が社会において従来から担ってきた研究者養成機能と社会からの期待も大きい高度専門職業人養成機能の双方を果たしています。
「就職の明治」の伝統を活かし、大学院生に特化したキャリアサポートプログラムを実施しています。
このプラグラムは、「アカデミア志望者への支援」「民間企業における就職活動への支援」の双方を行い、大学院生に必要な支援に重点を置き実施しています。
本学は、明治14年の明治法律学校の創設以来、多くの法学研究者を輩出してきました。法学研究科は、法曹養成を目的とした法科大学院とは異なり、大学教員を中心とする研究者の養成に重点を置き、また同時に、法的知識と法的思考能力を備え各種の実務の場で活躍する高度職業人の養成にも力を入れています。
カリキュラムとしては、基本的な実定法領域の科目だけでなく、法哲学・法制史・比較法などの基礎法領域の科目や、情報法・環境法・国際法などの先端科目も多く配置されています。
法学研究者としての自立、あるいは実務に携わるにあたってのスキルアップなど、それぞれの目的やキャリア設計に応じて研究に集中できる仕組みと環境があります。
商学研究科は、博士前期・後期の両課程で専攻を領域ごとに8つの系列に大別し、約50名の教員の指導の下、「商(Commerce)」にかかわる現象及び活動を多面的・多角的に攻究します。学生は、入学時の研究テーマについて指導教員から専門的な指導を受けるのみならず、保険・交通等を含む多様な研究領域に触れながら、幅広い関連知識に基礎づけられた精深な学識を深めることができます。
また、本学学部からの進学者以外にも外国人留学生や実務経験のある社会人、そして経験豊富なシニアの学生と、それぞれ異なる多様なバックグラウンドから活発な議論・交流が図られ、学生は、修了後もその経験を活かし、国内外問わず様々な研究・教育機関、企業や官公庁で活躍しています。
政治経済学研究科は、本学の建学の精神「権利自由・独立自治」のもと、冷静に、公平に、社会の実相を材料として学理の研究を行っています。政治経済学研究科は、政治学専攻と経済学専攻という2つの専攻により構成され、横断的には政治学、社会学、経済学その他隣接諸科学を包含し、縦断的学問構造として、理論、歴史、政策の三位一体体系から構成される総合社会科学の追究を教育研究上の目的としています。
現在、政治経済学研究科では、外国人留学生入学試験で入学した数多くの留学生が学んでいます。また、交換留学制度を活用することによって、入学後、海外の大学で学ぶ機会も設けられています。
経営学研究科は、博士前期課程にリサーチコースとマネジメントコースの2つのコースを設けています。リサーチコースは博士後期課程に進み、その後研究者となる人材の養成を重要課題としていますが、企業の調査部など調査活動が必要とされる分野での専門家養成も大きな目標です。マネジメントコースは社会人に配慮して土曜および平日夜間に開講し、これまで実務の世界で修得してきた知識を理論的に掘り下げること、また関連知識を拡大することにより実務で培ってきた知識が学問的にどのような位置にあるのかを探究することを目標にしています。
また、マレーシア工科大学とのダブルディグリー・プログラムを取り入れているほか、海外協定校への留学や国際学術会議への参加機会も多く、国際化を推進しています。
文学研究科は、日本文学・英文学・仏文学・独文学・演劇学・史学・地理学・臨床人間学・文芸メディア専攻の9つの専攻から成り立っています。史学専攻においては、日本史学・アジア史・西洋史学・考古学の4専修、臨床人間学専攻においては、臨床心理学・現代社会学・教育学の3専修に分かれています。
これらの各専攻・専修は、それぞれの専門分野を深く極められることが出来るようにカリキュラムが組まれており、約100名の専任教員が担当しています。各専攻・専修での縦断教育のみならず、専攻の枠を超えた横断教育も行い、広い視野から専門を据え直すとともに、新しい研究領域の開拓を目指しています。
情報コミュニケーション研究科では、高度情報社会における人間とコミュニケーションの態様を、学際的に探究することを目指しています。学際的あるいは領域横断的という考え方は、言うのは簡単ですが実現するのはなかなか難しい理念です。単に、「さまざまな分野の専門家」が寄り集まるのではなく、一人ひとりが特定の学問の核を持ちつつ、関連分野にも精通することが必要です。
学問は現実と遊離しては意味をなしません。単なる机上の空論や先人の思想の追従に終わることなく、現実あるいは世界・社会の「いま」としっかり向き合って、立ち向かう姿勢が求められます。政治的・経済的にも思想的・学問的にも閉塞感が漂ういまこそ、こうした状況を打破する新しい視点、いわゆる「科学革命」が求められています。
グローバル・ガバナンス研究科では、「公共政策」「国際開発政策」「地域マネジメント」の3つのプログラムを中心に、行財政改革、分権化、貧困削減、持続的開発、開発経済協力、人権・民主化、地域開発、市民参加、危機管理といった世界が直面している課題に直結した重要かつ喫緊のテーマを取り扱っています。
これら3つのプログラムを見てもわかるように、グローバル・ガバナンス研究科は既存の専門分野を横断的に関連付けていく学際的なアプローチを取っています。それによって、公共政策の研究者のみならず、政府、国際機関、民間、非営利セクターで働く高度なプロフェッショナル、研究人材の育成を目指している点が大きな特徴です。
*グローバル・ガバナンス研究科は、英語による博士後期課程プログラムです。入学試験、カリキュラム及び学位審査等は全て英語で実施されます。
理工学研究科では、自然の法則と数理の仕組みを理解し、そこから創出される科学技術によって人類の継続的な発展と幸福に貢献する、人間性豊かな高度専門職業人と研究者を養成することを目的としています。
各専攻に設置された科目を通して専門的な学力の修得を図るとともに、全専攻に共通する広域的なテーマや学際領域に関わる授業科目をバランス良く配置し、理工学の専門的な知識のみならず、科学技術を社会との関わりの中で捉える広い視野と、境界領域や新しい分野をも開拓しうる柔軟性を育成します。
「環境の世紀」とも呼ばれる現在、人間活動が地球環境に与える影響を分析し、子孫に残すべき環境を護るための努力が求められています。地球上の77億人を超える人々が健康で文化的な生活をするためには、食料生産の維持、拡大と流通の確保は焦眉の急ですが、これに伴う森林伐採、大気・水質汚染などの環境問題、生物・遺伝資源多様性の減少などの問題にも適切な対応が求められています。地球規模の気候変動の中で持続可能な農業を展開し、自然と人間の共生と調和を図ることが、人類の今後の生存を保証すると考えられます。
このような重大な状況の中で、農学研究科は、21世紀が直面している「食料・環境・生命」に関する重要な諸問題について解決の道を探究するために、分子・細胞レベルから人間の社会活動や地球環境レベルに至る幅広く多様な視点から研究・教育活動を行っています。
教養デザイン研究科は、2008年度に「人間性とその適正な環境の探求」を教育研究の目標として開設した、新しい教養系の研究科です。研究分野として、「思想」、「文化」、「平和・環境」の3コースを設置しています。教養デザイン研究科の特色は次の3点にあります。
第1には、複数の教員が学際的な研究指導にあたり、1つの専門領域だけに偏らない総合的な研究指導を行っています。第2には、大学院の国際化に対応して、教育研究における国際的な連携を深め、海外へと開かれた研究科を目指しています。第3には、社会人に対して広く門戸を開放していることです。大学卒業後、それぞれの社会経験から得た学問的テーマの探求を希望する社会人を受け入れ、生涯学習社会に積極的に対応しています。
21世紀は、まさに数理科学の時代と言えます。社会に現れるこれらの複雑現象の解明に向けて、絶え間なく発展進化している現代数学に強い期待が寄せられており、社会の現実的な問題を多元的な視野で科学的に解決する数理科学が重要な役割を果たさなければなりません。先端数理科学研究科では、先端的な数理科学に寄せられる多元的ニーズに応え、文理融合・領域横断型の教育研究を目指して、2017年度より3専攻の体制となりました。
先端的な数理科学に関する3つの専攻は、「社会に貢献する数理科学の創造、展開、発信」という共通の理念のもと、互いに協力してグローバル化する社会と正面から向き合い教育と研究を行います。これらを通じて、社会の持続的発展と文化・福祉の向上に寄与し、21世紀における「知識基盤社会」の構築に資するとともに、次代を担う教育研究の拠点を目指します。
国際日本学研究科は、グローバル化時代において、日本と世界の関係を、常に変化する流動性の中で、動的に捉えようという問題意識の下、2012年に設立された新しい研究科です。
博士前期課程は、ポップカルチャー、企業・メディア・コンテンツ、多文化共生・異文化間教育、日本語学・日本語教育学、英語教育学、文化・思想の6つの研究領域、博士後期課程は、ポップカルチャー、社会・情報・国際関係、言語・国際交流、文化・思想の4つの研究分野に分かれています。
自身の専門性を深めるだけでなく、全領域の院生が参加する「院生フォーラム」や「中間報告会」等を通じて、幅広い視野を身に着けます。北京大学との協定に基づく研究発表会など、国際的な学術交流も推進しています。
page.php